入れ歯が合わなくなった原因とは?痛みやズレへの対処法を解説
2025/09/30
こんにちは、三鷹の歯医者、川島歯科医院です。
入れ歯は、歯を失った方にとって日常生活の質を支える大切な道具です。
しかし、「なんとなく合わない」「使いにくい」と感じている方も少なくありません。
入れ歯が合わないまま使い続けると、違和感だけでなく、さまざまなトラブルや健康への影響を招くことがあります。
少しでも違和感を覚えたら早めに対応することが、健康な口内環境を長く保つうえで大切です。
今回は、入れ歯が合わないことで起こる症状やリスク、具体的な対処法について解説します。
入れ歯が合わない場合に起こること
痛みを感じる
入れ歯が合わないと、多くの方がまず痛みを感じます。
特に多いのは、装着直後や食事時に感じる歯ぐきの圧迫感や違和感です。
痛みを我慢して使い続けると、歯ぐきが腫れたり炎症を起こしたりし、さらに入れ歯が合わなくなる恐れがあります。
嘔吐反射が出る
入れ歯を装着した際に「吐き気がする」「喉の奥に違和感がある」という場合、嘔吐反射が原因かもしれません。
これは入れ歯が喉や口蓋の奥に接触している場合によく起こります。
特に上顎の入れ歯は床の部分が広いため、圧迫感を感じやすいですが、床の厚みや長さを調整することで緩和が可能です。
口元にしわができる
合わない入れ歯を長く使うと、口元にしわやくぼみができることがあります。
これは、入れ歯のかみ合わせが悪く、あごの骨への刺激が減ることで骨がやせるためです。
加齢による変化と重なりやすいため気づきにくいですが、早めに入れ歯を調整すれば、若々しい見た目を保ちやすくなります。
歯ぐきに傷や口内炎ができる
合わない入れ歯を使い続けると、入れ歯が動くたびに歯ぐきとこすれて刺激が起き、歯ぐきに傷や口内炎ができることがあります。
また、細菌やカビ(カンジダ菌)の影響で、「義歯性口内炎」と呼ばれる入れ歯が原因の炎症が起こることもあります。
しゃべりにくくなる
入れ歯が合わないと、話しているときにズレたり浮いたりすることで発音しにくくなります。
特にサ行やタ行が発音しづらく感じることが多く、こうした状態が続くと、人と話すのが億劫になったり外出を控えたりして、生活の質に影響が出ることもあります。
外れやすくなる
入れ歯が合っていないと、かむたびに浮いたり、ずれたりすることで口まわりの筋肉を十分に使えなくなり、筋力が少しずつ低下していきます。
それにより入れ歯を安定させる力が足りなくなると、さらにずれたり外れたりしやすくなります。
入れ歯が合わなくなる原因
歯ぐきの変化
入れ歯が合わなくなる主な原因の一つが、歯ぐきの形や厚みの変化です。
入れ歯は歯ぐきに密着して安定しますが、加齢や体重の変動、病気などで歯ぐきの形が変わると、ぴったりと合っていた入れ歯にすき間ができてしまい、フィット感が低下してしまいます。
顎関節の変化
年齢を重ねると、あごの骨の新陳代謝が落ち、少しずつ痩せていくようになります。
その結果、入れ歯の土台となる骨の形が変わり、入れ歯が合わなくなることがあります。
入れ歯の劣化
入れ歯は毎日の食事で使うため、食べ物の硬さや温度、かむ力によって少しずつ摩耗していきます。
一般的に入れ歯の寿命は約5年とされていますが、もっと早く劣化することもあります。
見た目ではわかりにくくても、かみ心地や違和感が気になったら、入れ歯の劣化を疑い、歯科医院でチェックしてもらうようにしましょう。
入れ歯の汚れ
入れ歯は日々の使用で食べかすや細菌が付着しやすく、これが積み重なると、わずかに素材が変質したり、床の部分が変形したりすることがあります。
さらに、唾液に含まれるカルシウムが沈着して硬い塊になると、入れ歯と歯ぐきの間にすき間が生じ、装着感や安定性が悪くなることもあります。
こうした汚れは口臭や口内炎の原因にもなるため、清潔な状態を保つことが大切です。
合わない入れ歯を使い続けるリスク
ほかの歯に負担がかかる
入れ歯には、失った歯の機能を補い、かむ力を全体に分散させる役割があります。
しかし、口腔内にフィットしていない状態では一部の歯に力が集中しやすくなり、歯や歯ぐきへの負担が増して口腔トラブルを引き起こす原因になることがあります。
虫歯リスクが高まる
入れ歯は人工素材のため虫歯にはなりませんが、合わない入れ歯を使い続けると周囲の天然歯が虫歯になるリスクが高まります。
これは、入れ歯の周囲に食べかすや歯垢がたまり、細菌が繁殖しやすい環境になるためです。
口元の見た目が変化する
合わない入れ歯を使い続けると、口元の見た目に変化が出ることがあります。
特に頬のくぼみや口元のシワが目立ちやすくなります。
滑舌が悪くなる
入れ歯のフィット感が悪いと、痛みが出たり、空気が漏れやすくなったりすることで、舌や唇の動きが制限され、発音がしづらくなることがあります。
入れ歯が合わないときの対処法
入れ歯を付けなおしてみる
入れ歯が合わないと感じたときは、一度外してからつけ直してみましょう。
汚れが付いていたり、装着時に角度がずれていたりすると、フィット感に違和感が出ることがあります。
入れ歯専用の洗浄剤で清潔に保ち、歯ぐきに異常がないかもあわせて確認しておくようにしましょう。
硬い食べ物を避ける
入れ歯が合わないときに硬い食べ物を無理にかもうとすると、痛みが出たりズレがひどくなったりすることがあります。
特に入れ歯に慣れていない段階では、やわらかい食事から始めるのがおすすめです。
スープや煮物などを中心に、少しずつかむ感覚をつかんでいくようにしましょう。
歯科医院を受診する
入れ歯に違和感があったり痛みを感じたりする場合は、自己判断で使い続けず、歯科医院で調整を受けましょう。
ズレや摩耗、あごの骨の変化などによって、入れ歯には微調整や修理が必要になることがあります。
快適に使い続けるためにも、定期的な点検やクリーニングを心がけることが大切です。
まとめ
入れ歯が合わなくなると、見た目や発音、食事の快適さなどに影響が出てきます。
入れ歯を付け直す、やわらかい食事に切り替えるなど、無理のない範囲で工夫しながら様子を見て、それでも改善しない場合は歯科医院で調整を受けるようにしましょう。
医療法人社団大芽会 川島歯科医院:https://www.kawashimashika.com/
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀2-18-13-1F
電話:0422-70-6474
交通アクセス
電車でお越しの方:JR中央線三鷹駅南口より徒歩15分